土曜日のサイクリングでの出来事。
暑い中を渡良瀬川沿いに足利から桐生へと走っていた。
河川敷には罠がいくつもあって↓、前から気になっていたのだが、何かがかかっていることは無かった。
だがこの日ばかりは……
「ん?」
「なんかいるぞ」
罠に近づいていく……。
なんと、イノシシさんがかかっているではないか。
「ブフー! ブフー!」
私が近づくと、イノシシは檻に突進を繰り返す。
「いや、違うんだ。私は敵じゃないんだ!」
「ブフー! ブフー!」
イノシシさんは、私の想いはよそに、何度も突進を繰り返す
イノシシさんは鉄格子に鼻を何度もぶつけ、皮がめくれて血が出ていた。可哀そうに。でも私は敵じゃない。落ち着け。
「ブフー! ブフー!」
私が何を思うおうと、イノシシさんは突進を繰り返す。檻はそのたびにガシャガシャと音を立てて揺れる。私は気付いた。確かに私は敵じゃないけど、助けることもできないことに。私は力なくうなだれ、その場を走り去った。
イノシシさんは何を訴えていたのだろう。
「人間め!許さん!」?
「近づくな!(怖いよー)」?
「助けてくれー」?
イノシシさんは、その後どうなったのだろう。あまり考えたくない。
不都合なことに目を背けて生きてるんだなあと思う、今日この頃。