私は、日本人は計算能力に優れていると考えている。
実際に外国人と比べたことはないのだが、日本に住む人々は「日本円」に慣れ親しんでいるからだ。
どういうことか?
私たちは普段、毎日のようにスーパーやコンビニへ買い物に行く。
そこでは、「108円」や「1280円」などと、3桁くらいの数字が並んだ値札が一般的だ(末尾の0円はカウントしないとして)。
日本人は毎日の買い物で、3桁くらいの暗算を日常的にこなしているのである。
いっぽう、中国ではどうか?
値札はけっこう大雑把に「5元」とか「10元」とかのパターンがけっこうある。もちろん「4.7元」とかもあるが、3桁以上の表示をあまり見かけない気がする。
1元はわりと大きい通貨なので、スーパーで売ってるような日用品では小数点を入れても1~2桁くらいの値札で済むように思う。
アメリカやヨーロッパは?
これまた、ドルやユーロが大きい通貨なので、やはり日用品は1-2桁くらいに収まるように思う。
つまり、中国人もアメリカ人もデイリーの買い物レベルでは1-2桁の暗算しかしてないのである。
ではかつての超絶インフレ国のトルコ人やジンバブエ人は、目茶苦茶に計算能力が高いのか?
いや、そんなことは多分ない。
なぜなら、それらの通貨は桁が多すぎて、人間のキャパオーバーだ。
だから、彼らは「万」とか「億」とか「兆」の単位を、日常生活ではカットしている。例えば、「10億トルコリラ」→「10リラ」みたいに。
思うに、人間のキャパは3桁くらいが限度ではなかろうか。
「9980円」の値札はあれど、「9988円」は見ないし。
今の日本円は、人間のキャパのギリギリいいところを突いている。
結果的に、日本人は毎日の買い物で鍛えられ、計算能力が高まっているのである。
たぶんだけど。
(そして、小数点以下の計算が苦手だったりして)