図書館での出来事。
長机のスタディスペースは空いている席が見つからなくて困っていた。
一つだけ席が空いていたが、机の上には中学1年の学習書が1冊置いてあった。
その隣の席には大人しそうな女子中学生が座って勉強している。机にはたくさん参考書が広げられていて置ききれなかった本がはみ出しているようだった。
「この席空いていますか?」
「・・・」
「この本はあなたの?」
「あ、はい・・・」
女子中学生は学習書を自分のスペースに戻した。私はその席で自分の勉強を始めた。
しばらくして男子が来た。
女子中学生は私にも十分聞こえる声で言った。
「ごめん、席とってたのに取られた」
その男子も女子中学生も私を見る。
これってケンカ売ってる?
でも私は無視。図書館での席取りは禁止だし、確保してるならそういえば私は無理してその席に座ることはなかったのだ。
大人しそうな女子が、男子が来たとたんにイきりだしたのが意外だった。まるでヤンキー女子が男に「コイツ、シメちゃってよ」って言ってるみたい。
でも男子は困惑していたけど。え、コイツにはまだ勝てないよ、みたいな(笑)
女子は続けてこう言った。
「ほんとうにゴメン、ジュースおごるね。本当にゴメン」
女子中学生はこの男子のことが好きで必死にすがりついてるのかと思った。男子のために席取りまでしてるし。そのいびつな関係に複雑な思いで私は勉強を続けたのであった。
いつかシメられたりして。
夜道には気をつけようっと。